スタッフからの一言

福岡県内の各地で、夏の風物詩である花火大会が開催される季節になりました。夜空を彩る美しい花火を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

ところで、そもそも花火は、いつ頃から打ち上げられるようになったのでしょうか。

花火の起源をさかのぼると、その原型は「のろし」だと言われています。「のろし」は、遠方への合図や通信手段として、紀元前から使われていたと考えられています。その後、8~9世紀ごろ、中国で火薬が発明され、これが花火の材料として使われるようになりました。

火薬はやがてシルクロードを通じてイスラム世界からヨーロッパへと伝わり、14世紀頃にはルネサンスの三大発明の一つとされるまでに発展しました(中学校の社会で習った方もいるかもしれませんね)。火薬の登場は、戦いのあり方や社会構造に大きな影響を与えました。

その火薬が、武器だけでなく祝祭の演出に使われるようになったのが、イタリアでの14世紀頃のことです。王の戴冠式や結婚式などの晴れの場で打ち上げられるようになり、次第に現在のような鑑賞用の花火へと進化していきました。

日本には、鎌倉時代に元寇(1274年・1281年)の際に火薬が武器として伝来しました。

しかし、花火を「見るもの」として楽しむようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。1733年、8代将軍・徳川吉宗が、前年に起こった大飢饉と疫病で亡くなった人々を弔い、悪霊を鎮めるために「水神祭」を行い、その際に花火が打ち上げられたのが、庶民の間に花火が広がるきっかけとなったといわれています。

現代の日本では、夏の夜空を彩る花火大会は、人々の心を癒やし、地域のにぎわいを生む大切な行事となっています。福岡県内でも、「宮若納涼花火大会(宮若市)」「豊前市みなと祭り(豊前市)」「芦屋花火大会(芦屋町)」「のおがた夏祭り(直方市)」「筑後川花火大会(久留米市)」「関門海峡花火大会(北九州市)」など、数多くの花火大会が予定されています。

今年の夏は、浴衣に袖を通し、夜の涼しい風を感じながら、近くの花火大会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
夜空に広がる色とりどりの花火が、きっと心に残るひとときを演出してくれることでしょう。