スタッフからの一言
コスモス ― 「花」と「宇宙」をつなぐ調和のことば
2025年9月25日
秋になると、風に揺れるコスモスの花をあちこちで目にするようになります。
九州では10月上旬ごろからが見ごろ。ピンクや白、赤といった色とりどりの花が一斉に咲く様子は、秋の空にとてもよく映えます。
ところで、「コスモス」という言葉を聞いたとき、あなたは何を思い浮かべますか?可憐な秋の「花」でしょうか?
それとも、果てしなく広がる「宇宙」でしょうか?
実は、このふたつのまったく異なるものに、同じ「コスモス」という名前がつけられているのには理由があります。
コスモスの花はメキシコが原産で、18世紀末にスペイン人が持ち帰ったとき、その名前を「コスモス」とつけました。
花びらが整然と並び、規則正しい姿をしているのを見て、ギリシャ語の 「kosmos」 にちなんだのです。
この「kosmos」という言葉は、「秩序」や「調和」を意味します。
さらに歴史をたどると、古代ギリシャの哲学者ピタゴラスまでさかのぼります。
ピタゴラスは「宇宙は秩序ある調和のシステムである」と考え、その全体を「コスモス」と名づけました。
つまり、コスモスという言葉はもともと「整然と秩序立った宇宙」を表すものだったのです。
そう思って眺めると、一面に咲くコスモスの花は、まるで小さな宇宙のよう。
風にそよぎながらも調和を失わず、広がりをもって咲く姿に、自然の不思議さを感じる人も少なくないでしょう。
福岡県内では、海の中道海浜公園(福岡市)、グリーンパーク(北九州)、おおとう花公園(田川)、キリン花園(朝倉)、コスモス街道(久留米)、平原歴史公園(糸島)、観世音寺(太宰府)、などいろいろな場所でコスモスがみられる場所があります。
秋は空気もさわやかで、お出かけにぴったりの季節です。
この時期ならではの涼しい気候を利用して、コスモスの花を見に行ってみませんか。
秋の光にきらめくコスモスは、きっとあなたの心をやさしく癒やし、穏やかな時間を届けてくれることでしょう。