スタッフからの一言
紫陽花(あじさい)
2025年6月12日
6月になると、紫陽花が見頃を迎えます。梅雨の時期に咲く紫陽花は、雨に濡れて一層美しく、風情がありますね。
「あじさい」は、漢字で「紫陽花」と書きますが、この読み方は漢字の音読みとは合いません。「どうして、こんな漢字を書くのかな?」と不思議に感じる方もいらっしゃるでしょう。
実は、今から1000年以上も前の中国の唐の時代、日本でも高名な詩人である「白楽天(はくらくてん)」があるお寺を訪れた際に、その境内に咲いていた紫色の花を「紫陽花」と名付けたとされています。その花は、とても香りが良かったことから、現代で言う「ライラック」であったと考えられています。
後に、白楽天の詩が日本語に訳される際、写真もない時代だったために、その「紫陽花」という花を日本の「ガクアジサイ」と誤って解釈してしまったそうです。こうして、本来のライラックと異なる日本の「あじさい」に「紫陽花」という漢字があてられるようになったのです。
本来であれば音読みで「紫陽花(シヨウカ)」などと読むはずのこの漢字に、「あじさい」という読み方が付いたというのは、ちょっとした言葉の歴史の不思議ですね。
紫陽花は、青や紫、ピンクなど、様々な色の花を咲かせます。その花色は、土壌の酸度によって変化するとされており、アルカリ性の土では赤、酸性の土では青くなるそうです。(まるで、リトマス試験紙のようで、自然の仕組みには驚かされます。)
これから、梅雨に入り、じめじめした日が続くかもしれませんが、公園や寺院、神社など、さまざまな場所で紫陽花を楽しむことができます.紫陽花の花を眺めながらの散策するのも、梅雨の時期ならではの楽しみかもしれません。
福岡県内においても、「若松あじさい祭り(北九州)」「千光寺あじさい祭り(久留米)」「筥崎宮あじさいまつり(福岡市)」「白糸あじさい祭り(糸島市)」「枝川内あじさい祭り(豊前市)」などいろいろな場所で紫陽花がみられる場所があります。
お天気の合間を見て、ぜひお出かけになってみてはいかがでしょうか。色とりどりの紫陽花が、きっと心を癒やしてくれることでしょう。